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天南星(てんなんしょう)について

 天南星(てんなんしょう)は暗い森の中で育つ、サトイモ科テンナンショウ属の植物の根茎を輪切りにし乾燥させたものです。生姜を加えて焙製したものを、「製南星」といい、牛の胆汁で焙製したものを「胆南星」、薬品による炮製を加えていないものを「生南星」といます。
 天南星(てんなんしょう)は通常二朮湯程度しか使用しませんが、ハンゲよりも熱性の炎症性に乏しく、通常他の組織より水分含量の多いことが正常であるべき組織内(関節腔や粘膜など)に慢性的にこもった少量の停滞熱エネルギーを引き抜いて、保湿効果によって炎症を冷却・治癒するために使用します。したがって咳・痰などでも適応するのは炎症性の低い水っぽいもので、痰に血が混じるなどという熱性の強いものには向きません。また五十肩や肘・膝の痛みでもさわってみて熱感のある急性の炎症性の高いものには向かず、直接触れても熱感がなくて痛みのあるものに向いています。
 漢方的には燥湿化痰、止痙などの効能があり、めまい、麻痺、痙攣、ひきつけなどに用いられます。また子宮頸癌、食道癌、肺癌、神経腫瘍、口腔腫瘍などのガンの治療に用いられることが多いです。